7月24日まで開催している「美の世界を拓く 千住 博」展を観るために、岡山県高梁市にある、高梁市成羽美術館へ行きました。

千住博さんはニューヨーク在住の画家で世界遺産「高野山金剛峰寺」に襖絵44面を奉納されています。私は直島にある作品、家プロジェクト「石橋」「空(くう)の庭」を観賞して以来、ずっと他の作品を生で観てみたかったので念願の往訪です。

(以下個人の見解も含みます)


市の指定重要文化財でもある「成羽陣屋跡」の敷地内に建てられていますので石垣とお堀の跡を通って美術館の入り口へ向かいます。

山に挟まれた谷間に美術館があるので風になびく新緑の木々と麗かに流れる水の音がとても心地よく軽くスキップして入館しました。美術館の建築は安藤忠雄さんです。

館内は基本的に撮影NGですが「ウォーターフォール」四季のシリーズ4作品は撮影OKでした。飾られた4面の壁の中心に立つと本当に落ちてきた水の谷間にいるような、そして自分という存在も水の分子であるという感覚に。自然、人工、時間、引力、重力、生や死も全て曖昧になった先の世界を体感しているようでした。
他にもハワイのキラウエア火山から流れた溶岩の風景を描いた「フラットウォーター」シリーズや実物の岩石よりも圧倒的存在感を描いた「ウラノス」など物質世界と精神世界を行き来しながら様々な作品と出会うことができます。今まで自然光でしか千住さんの作品を観たことがなかったのですが人工的な光で観ると画材である岩絵具の反射や色味が変わるためより身体を使って観賞することの面白さに気づくことができました。
軽井沢に作家自身の美術館もありこちらはまだ行くことができていないのでまたそちらへも足を運びたいと思います。
重力ってすごい!